投稿日:2015年7月27日
ブログをご覧の皆様、こんにちは。
さて、先日24日は言わずと知れた土用丑の日でした。
朝からテレビのニュースやバラエティーで、ひたすら鰻の話題を取り上げています。
例えば、どこそこの名店で名人が焼き上げる極上の国産ウナギの映像が映し出され、ウチで扱っているウナギは清流何とか川でウナギ採りの名人が捕らえたもので、脂のノリが違うエトセトラ・・・
それを新技術の輸送方法で仮死状態にし、新鮮なうちに東京の皆さんのところへうんたらかんたら・・・
そのお店とウナギに携わる周辺の人々について、見ているだけで楽しみながら自然と詳しくなれるような番組構成でした。
おかげでお客様やスタッフも、すっかり店主の名前や生い立ち、ウナギ漁師さんの名人芸から流通業者の方の苦労まで、一くさり語れるほどの知識を自然と獲得していました。
「店主の鱸さん(仮名)の焼きの技術があればこそ、鰻の本来の風味も損われず更に芳ばしく焼きあがるのね!」
「いやいや、やっぱり漁師の鯖戸さん(仮名)が清流の清浄な鰻を採ってくれればこそじゃないかな」
「どんなに新鮮な鰻も、輸送過程によっては台無しになる。豆腐とワインには旅をさせるな、とある人が言っていたように、輸送に革新を起こした鱒淵さん(仮名)が一番の功労者ではなかろうか」
それぞれが贔屓のウナギ業界人をもち、互いに激論を交わすなど、土用の丑の日にかける情熱が相当に熱く盛り上がる南国の唄。
ディベートも一進一退、ここいらへんでお茶でも飲んで一息入れましょう、と今度は茶飲み話に花が咲きますが、これまた自然と話題がウナギ方面へとシフトしていきます。
そういえば、今年はもうウナギを食べたっけ。
食べた
まだ食べない
食べたかどうか忘れた
などなど、紛糾するウナギ論。
そんな話題から始まり、
大宮にあるウナギのおいしい店、
美味しい食べ方(ゆず胡椒をかけるとさっぱりする等々)、
凄いのになると、昔自分で採っては捌いて食べていた、なんていう話まで。
Aさん曰く、ワナを放り込んでしばらく放っておくだけだから、場所さえ分かれば簡単ですよ、とのことです。
その言葉に乗せられて、ちょっとやってみようかと思ってしまうスタッフ。
今後近所の鴨川に、いかにも手作り感溢れるトラップが仕掛けられていたら、私か狩猟本能を蘇らせたAさんのどちらかだと思われます。
というわけで、相当な過熱っぷりを見せるお客様ですが、実を言うとそれには理由があります。
これまで南国の唄はオープンから間もなかったこともあり、多くのお客様と共にこの日を迎えるのは、これが初めてだったんです。
つまりイベントとしての土用丑の日は、この日が最初。
お客様方も、デイサービスで土用丑の日にウナギが提供されるとは夢にも思っておらず、今年はウナギ、食べられるかなぁ、という懸念から議論にも熱がこもったのでしょう。
ウナギの提供に当たっては何通りかの方向性を検討してきましたが、予めご飯の上にウナギを乗せておき、しかし事前に何も言わず昼食配膳、何気ない形で、そ知らぬ顔で、当然ですよ? と言わんばかりに自然体で配膳する。
すなわちサプライズ的演出をとることとしました。
一同「・・・」
さぁ皆様、暖かいうちにどうぞ!!
って、うなぎやないか~い!
え、え、いいの? あれれ、いいの?
だいぶ混乱されている皆様でして、サプライズは大成功なんですが、サプラ過ぎた気もします。
逆に恐縮しながら箸を進めることを促すスタッフ一同。
や、どーぞどーぞ。
社長からの計らいということで! もちろん大丈夫! 安心してメリー・土用丑の日!
なるほど、あの社長からの粋な計らいというやつね・・・
胸のつかえもとれ、土用丑の日に鰻を食べることに何の支障もなくなったとあらば、熱いうちに食べるのがなにより重要。
鰻なんかいつ以来かな、久しぶりっていうのは分かるけど。
私らみたいに体から脂が抜けた人には、鰻っていうのはありがたいですねー
あれ、このチラシには一尾1950円と書いてあるけど、お弁当よりずっと高いんですけど、いいんですか?
いまや貴重ともいえる国産鰻に舌鼓を打ちつつ、どこかぎこちないのは最初の土用丑の日ならでは。
今後は毎年イベントを重ねていき、反対に、鰻が出てくるのが、このデイサービスでは通常運転、と思われるくらいにならなければ、とスタッフ一同思ったものです。
あれ、鰻?
そうですよ、鰻なんです。
今日は、土用の丑の日?
そうですよ、どうぞ召し上がって下さい。
農園で先ほど取れたキュウリの酢の物も併せてどうぞ!
私って昔からこういうところがあって。最初に箸をつけるのが、なんだか勿体無いって思ってしまうんです(笑
そんなA様に一同大笑いです。
大丈夫よAさん! ここにずっと通ってれば、間違いなく毎年うなぎを食べさせてくれるんだから!
そんな声にA様もにっこり。
じゃぁ、いつまでも通ってこないといけなくなったわね。
皆でずっとここに来ましょう!
というわけで、どうやらお客様方の意思統一が図られたようですが
その原動力が「うなぎ」なのはご愛嬌です。
さてさて、南国の唄では今後も初イベントが目白押し。
パッと思いつくだけでも、夏の間のスタミナ料理や、初秋にかけてサンマ、寒い冬に鍋物などなど、初物イベントには事欠きません。
いま現在も、スタッフ一同額をつき合わせてはイベント案を捻出していますので、お客様方、どうかご期待下されば、誠幸甚の砌であります。
それではまた!