投稿日:2015年9月15日
ブログをご覧の皆様、こんにちは。
朝の肌寒さや、高く澄んだ昼の青空、夕に鳴く虫の音などなど、すっかり秋めいてきた埼玉県は宮原町、南国の唄周辺。
ホンの数週間前までの連続的酷暑の面影はなく、四季の移ろい、その儚さに思い致さずにはいられません。
とかく秋といえばセンチメンタルになりがち。
センチメンタルジャーニーいわば感傷旅行は秋という季節にこそふさわしいものですし、
秋は夕暮れと清少納言くらいの偉い人が言うように、確かに秋は物悲しいものと相場が決まっているのです。
栗です。
一方、我々人間もヒト科に分類される哺乳類である以上、感傷を脇に退けておいて食欲に身を委ねることもあるでしょう。
冬を前に栄養を体に貯めておく、というDNAに刻まれた生存本能は、感傷と同居し、ときに凌駕します。
秋といえばその頭に「食欲」を冠する本能の時期でもあるのです。
つまり人間の感情にあって、乙女心的微妙な心情がマッチすると共に、
ヒトという一頭の動物としての本能が最も刺激される、
一見、相反するように思える二つの要素、機微と本能が矛盾なく同居できる、唯一の季節が秋である、と言えるのではないでしょうか。
そこで、栗です。
今現在昼12時前、南国の唄のお客様一同、空腹です。
それも当然、朝ごはんを食べてからというものはや3時間。
その間お茶しか口にしていません。
切なげに空腹を訴えるおなかをさする手にも力がありません。
今正に、お客様たちは心情的意味合いでもって、秋という季節を心行くまで満喫し、また体現していると言えるでしょう。
(おなかが空いて元気がないとも言います)
となれば次には食欲の秋を思う存分楽しんでいただくのが、我々南国の唄のスタッフの、使命ではありませんか。
だからこその、栗なのです。
この栗、前日に弊社社長が山の中の農園まで出向き採ってきて、ひとり難儀しながら皮むきも済ませておいた、鮮度抜群の天然ものです。
今日はこの栗を使い、「食欲の秋といえば?」 トップ3に入るであろう栗ご飯を作りたいと思います。
さて今回、お客様の中から我こそはという方が1名、お手伝いを買って出て下さいました。
意外と栗は傷みやすい野菜。
なるべく早く調理して、鮮度が落ちないうちに炊飯器に投入したいところですが、そこはさすがに熟練の腕。
細緻な動きで米を研ぎ、
醤油と酒で大胆に味を決め、
☆投入&封入☆
急いでふたをしめたら、スイッチ・オン!
あとは待つだけです。
栗ご飯なんて、今年初めてねぇ
もう秋なんですね、
1年あっという間だね、また年をとってしまうわ
みなさま、シミジミと秋の風情を満喫されています。
さて、それから15分も経ったででしょうか。
最初は淡く、次第にはっきりと鼻腔を刺激する、香り。
およそ1年ぶりに届くその香に、みなさま辛抱たまらないといった様子です。
いい香り・・・ おなかすきましたね
今朝は食べすぎちゃったからお昼減らそうと思ってたのに・・・
この香りを嗅いだらダイエットも何もないですよね(笑
ワビサビを思わせる静謐な空気も一転、
五感を直撃する匂いに、DNAに封印された本能が乙女心と肩を組んで前面へ飛び出してきた瞬間。
栗ご飯、完成!
炊飯器のふたを開け放った瞬間の、爆発的な香りの奔流といったらもう、なんともいえません。
1度も栗ご飯の温度が下がらぬうちに、超特急で配膳します。
盛り付け段階からお客様方の視線の熱いこと。
栗ご飯を捉え、離さないそのさまは、かつてあこがれの男性に向けた熱視線と完全におなじもの。
各自行き渡ったところで、手を合わせて、いただきます。
「「「いただきます!!!!」」」
普段はつかない、いただきますの語尾のビックリマークも、今日は4個ほどあったように感じられるほど、力強い「いただきます」を頂戴しました。
お味はどうですか?
最高よ!
お味は・・・ と伺うまでもない良い笑顔、いただきました。
ご飯の味付けもちょうどいいですね。さすがはAさん。
栗のホクホク加減もちょうど良くて、Aさん最高!
家で炊事することもなくなって久しぶりに作ったけど、うまくできてよかったです。
と周囲からの賛辞の中はにかむA様。
スタッフもご相伴に預からせていただきましたが、確かにこの味が出せる腕を眠らせておくのは国家的な損失だと、強く思った次第でした。
さて、今日は栗ご飯で秋を感じ楽しんでいただいたわけですが、まだまだ秋は続きます。
やはり人間、食欲があれば、なんとなかなるもの。食を抑えておけば、大概の困難は乗り切れます。
というわけで、この先の冬が訪れる前に次々食事イベントを開催し、お客様方が元気に来年の春を迎えられるようにしていきたいと思っています。
なにしろ食欲の秋。
美味しい食べ物はいくらでもあります。
そのときの様子もまた、ブログでお伝えできればと思います。
それではまた!